全商連青年部協議会(全青協)は11月20日、第41回定期総会を東京都内で開催しました。1万1000人の全青協をめざす拡大運動の特別月間では、全国が力を一つに仲間づくりに挑戦し、829人を迎えて、16年ぶりに1万713人の現勢に。「全国業者青年実態調査運動を柱に多彩で豊かな要求運動を展開し、転換期に打って出る仲間づくりの強化を」とした総会決議案、決算予算案などを満場一致で採択、運動をけん引する役員を選出しました。
憲法改悪の策動を強め、TPP(環太平洋連携協定)や南スーダンに派遣された自衛隊に駆け付け警護等新任務付与など、安倍政権の暴走と自覚的な市民の共同の力がせめぎ合う歴史的転換期の中で開かれた今総会。参加した役員・代議員165人は、決議案を深める討論を通じ、経験や工夫を交流。「民商や地域経済を盛り上げていくため、仲間づくりが欠かせない」「地元に帰って、学んだことを仲間に伝え、青年部活動を活発にしていきたい」と前進への決意を新たにしました。
主催者あいさつに立った雨松真希人議長は「各地の青年部では、経営要求を出し合うとともに、拡大運動も頑張ってきた。消費税が抱える矛盾や増税中止の願いなどは、大人数で声を上げるから伝わる。1万1000人の全青協をつくり、地域の多数派になれるよう頑張っていこう」と呼び掛けました。
全国商工団体連合会(全商連)の太田義郎会長は「民商青年部は話し合い、連帯し助け合って問題を解決している。人との関わりの中で商売を伸ばし政治にめざめる業者青年の生き方は素晴らしい」と激励。全商連婦人部協議会(全婦協)の塚田豊子会長も「青年部は民商の希望。もっと元気な姿を見せてほしい」と連帯のあいさつをしました。
幹事会を代表して、下杉陽介事務局長が総会決議案を提案、安井淳志副議長・会計が決算報告・予算案を提案、三原大佳会計監査が会計監査報告を行いました。
全体討論(別項)では12人が発言し、決議を深め合いました。
下杉事務局長がまとめ報告。この1年の拡大の成果の背景には、①全国業者青年交流会の成功で青年部活動への確信が広がった②対象者を明らかにして訪問対話する活動の基本の実践③民商との総合力の発揮④ニュースやSNSでの情報の共有―があるとし、「業者青年のつながりを広げることが、厳しい情勢で商売を伸ばしていく希望。数は力という民商のスローガンは、仲間は力ということ。集まって話し合うことを出発点に、今回迎えた人たちと心通える仲間になって、必ず1万1000人を確立しよう」と強調。総会決議案などを満場一致で採択しました(別刷り決議)。
表彰基準を達成した170組織を表彰し、新役員を確認。新役員を代表して雨松議長が「増やした仲間の要求をくみ上げ、中小企業庁などとの交渉に生かし、運動の成果も勝ち取っていきたい」と決意を述べました。
退任役員を代表して、6年間全国幹事を務めた玉井将斗さんが「大人になってから強いつながりのある友人ができたのは、青年部があったから。体験し学び、人間的に成長できたことは自分自身の財産になった」とあいさつしました。
総会では、日本共産党の山添拓参院議員と若者憲法集会実行委員会の小山農さんが来賓あいさつ。全商連から岡崎民人事務局長と土井淳子常任理事が参加しました。
選出された新役員
選出された新役員は以下の通り
▽議長 雨松真希人(35)=兵庫・歯科技工士(再)
▽副議長 佐々木亮(29)=北海道・行政書士(再)、小林正樹(35)=新潟・鋼材販売(再)、山本裕喜(31)=愛知・水道工事(新)、高田誠司(34)=岐阜・建設(再)、広瀬光彦(33)=大阪・防水(再)
▽副議長・会計 安井淳志(35)=東京・肉、総菜製造販売(再)
▽事務局長 根本遼(30)=専従(新)
全体討論では、12人が発言。仲間づくりの経験を確信にした今後の展望や、経営の力になる学習会、楽しいイベントなどの取り組み、青年部への思いが生き生きと語られました。
畳大の看板で会外アピール
前総会から90人の仲間を増やし、念願の400人道青協を達成した北海道からは、函館民商青年部の佐藤和弘さんが発言。「昨年開催したウェルカム企画に参加した3人の部員が刺激を受け、民商青年部が再出発。畳一枚ほどもある青年部の看板も作って、会外業者にもアピールしている」と紹介しました。
たたかうには青年の力必要
東京・練馬民商青年部の井賀奈保子さんは、2年前の全国業者青年交流会に参加し、刺激を受けて、地元でも仲間がほしいと行動し始めたと話し、「今年、部会も再開できた。自営業者と一緒に、とことんたたかってくれる民商を大きくするためにも、青年部が重要」と力を込めました。
3人が11人に仲間はいいね
長野・松本民商青年部の野澤文平さんは、拡大目標達成の経験を発言。「全青協三役の訴えに心を動かされ、会内外の対象者を青年部の集まりなどに誘ったことで、3人だった部員が11人に。ともに学ぶ仲間が増えた」と喜びを語りました。
助け合う人脈 将来の財産に
2年前に結成した茨城県青協からは、鹿行民商青年部の松渕大樹さんが報告。「今年全民商に青年部ができ、仲間は82人に広がった。補助金獲得学習会や異業種交流など、また来たいと思える会を開いている。お互いに励まし合い、助け合える人脈は将来に続く大切な財産」と話しました。
温かい言葉で居場所を発見
兵庫・灘民商青年部の福島廣光さんは、4月に開業、8月に入会・入部したと発言。「開業当初、何をしてもうまくいかず寂しさとつらさがあった。青年部の経営力アップ交流会に参加し、初めて同じ事業者から厳しくも温かい励ましを受けて、自分のおるべき場所はここやと思った」と声を詰まらせました。
高江ヘリ基地 建設させない
沖縄・那覇民商青年部の西仲間将太さんは、8月に県青協で1泊学習会を行い、高江ヘリパッド建設現場を訪れたことに触れ、「500人の機動隊が出動する異常な状態。県民の8割が反対している基地の建設・強化は許せない」と怒りを込めました。
異業種交流や権利の学習を
福岡・筑紫民商青年部の隅勇気さんは「県青協総会で行ったビジネスマナー講座が好評だった。異業種交流や納税者の権利学習などの要求も出ているので取り組んでいきたい」と展望を話しました。
交流会通じて幹事3人増え
9月に全国業者青年交流会が開催された静岡県からは、島田民商青年部の大多和良輔さんが発言。全国の仲間を迎えるためステージ企画や参加者集めに奮起し「交流会を通じて県の幹事が3人増えた」と笑顔で話しました。
県青協主催の交流会したい
宮城・仙台民商青年部の吉見卓朗さんは「昨年、県内の全民商で青年部を確立し、今総会では拡大目標をやりきれた。今までできなかったことができる組織になってきた。全国業者青年交流会を通じて活動がつくられてきたので、県内でも大規模な交流会を開きたい」と決意を語りました。
倉敷民商事件 無罪へ支援を
岡山・倉敷民商青年部の金岡靖典さんは民商弾圧の倉敷民商事件の経緯について発言し、「裁判では、民商の仲間の助け合いを否定するような判決が下された。2人は最高裁に上告し、1人は地裁で年内に最終弁論がある。3人の無罪を勝ち取るために、抗議の宣伝行動や支援活動に若い力を結集してほしい」と呼び掛けました。
民商が一体で青年増やした
愛知・名古屋南民商青年部のラハマティ・イルケキ・メヘランさんは「県青協の経営セミナーで学んで、新しい商売に挑戦した人もいる。県連の拡大リレーでは、民商の役員・事務局も一緒に対象者訪問をするなど青年部拡大に尽力した」と話しました。
会外の参加も わっと交流祭
大阪・門真民商青年部の長瀬亮介さんは、大青協主催の商工フェア「わっと大交流祭」には、「人のつながりの中で良いものをつくっていきたい」という趣旨に賛同して会内外の業者青年が出展したことを紹介。部員拡大も進み、目標を48人上回って1938人の青年部になったことに胸を張り「民商だからこそできることをしていきたい」と話しました。
▽10人以上の実増で前総会比1割増を達成した組織
宮城県青協、新潟県青協、愛知県青協、奈良県青協、熊本県青協、沖縄県青協
兵庫・神戸北、灘、奈良・大和郡山斑鳩、沖縄・沖縄
▽10人以上の実増で前総会比2割増を達成した組織
青森県青協、岐阜県青協、岩手県青協、宮城県青協、岡山県青協
新潟・新潟、東京・荒川、岐阜・岐阜北、大阪・松原、北区、兵庫・兵庫、広島・福山、三次
▽10人以上の実増で前総会比3割増を達成した組織
青森・青森、岩手・胆江、茨城・鹿行、愛知・名古屋南、奈良・葛城北
▽10人以上の実増で前総会比5割増を達成した組織
茨城県青協
宮城・石巻、長野・松本、岐阜・各務原、大阪・西淀川、門真、大東四條畷
▽2割以上単純拡大し、現勢で前総会を上回った組織
北海道青協、青森県青協、岩手県青協、山形県青協、新潟県青協、茨城県青協、静岡県青協、愛知県青協、岐阜県青協、大青協、広島県青協、鳥取県青協、熊本県青協、沖縄県青協
北海道・札幌中部、札幌東部、函館、室蘭、釧路、空知、稚内、北見、旭川、青森・青森、上十三、岩手・盛岡、胆江、秋田・能代、宮城・石巻、仙南、新潟・新潟、柏崎、上越、三条、長野・松本、茨城・鹿行、水戸、日立、土浦、千葉・佐原、市川、浦安、東京・足立東、荒川、玉川、静岡・沼津、清水、静岡、島田、浜松、伊東、岐阜・岐阜北、岐阜南、陶都、各務原、愛知・名古屋北部、名古屋西部、名古屋南、春日井、一宮、岡崎、北名古屋、津島、名古屋東部、中、知多中央、小牧、大阪・福島、西淀川、北区、西区、住之江、住吉、門真、大東四條畷、寝屋川、松原、堺南、中央、大正、枚方交野、高槻、守口、浪速、和泉高石、豊中、河内長野、貝塚、生野、奈良・生駒、葛城北、岡山・真庭、岡山、玉野、広島・三次、府中、広島、福山、三原、鳥取・米子、熊本・八代、熊本、沖縄・名護、北那覇、那覇
▽民商会員比1割以上の組織勢力を新たに達成した組織
奈良県青協
愛知・昭和天白瑞穂、名古屋南、中、岐阜・西濃、各務原、岐阜北、陶都、岐阜南、京都・西京、乙訓向日、中京、大阪・淀川、浪速、兵庫・須磨、東灘、神戸西、奈良・奈良、生駒、橿原、大和郡山・斑鳩、葛城北、天理、葛城、岡山・真庭、倉敷、玉野、広島・広島西部、三次
▽民商会員比2割以上の組織勢力を新たに達成した組織
兵庫・神戸北(3割)灘(2割)